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愛甲誓史さんを偲ぶ交流サイト
当サイトの趣旨
愛甲誓史さんは、ご両親とともに2020年7月の熊本豪雨災害で罹災され帰らぬ人となってしまいました。
愛甲さんとご両親の眠る故郷球磨村は復興の緒についたばかり、またコロナの影響で移動もできぬ中、愛甲さんとのお別れがままならず彼を慕う多くの皆さまが心を痛めている状況かと存じます。そこで現地に赴くことはできなくても愛甲さんとご遺族の皆様に私たちの哀悼の気持ちを伝える場、愛甲さんを慕う皆で思い出を語る場を作ろうと、大学時代の友人有志で当サイトを立ち上げました。
なお愛甲さんのご遺族の皆様に本取り組みをご相談し、ご了解をいただいております。
当サイトを通じて、それぞれの愛甲さんとの出会いや思い出のエピソード、写真や動画を共有することで生前の愛甲さんを偲ぶとともに、この度の災害で甚大な被害のあった球磨村の復興を支援に役立ちたいと考えています。
※なお、投稿、写真アップロードはサイト会員に登録いただく必要がありますので予めご了承ください。
また、サイトの運営は期間限定(1年間程度)となります。運営終了前にサイト会員の皆様には事前告知します。
弔辞
親愛なる友、愛甲へ。
ずいぶん早く、ずいぶん遠くへ行ってしまったな。
いや、遠かったはずの君の故郷・球磨村も、行ってみたら意外と近かったから、君のいる場所は案外そんなに遠くじゃないのかも知れないな。
愛甲と出逢ったのは1987年の東京、早稲田ビートルマニアの新人歓迎会だった。
2年先輩の僕が言うのも変だけど、黙っていると一見怖そうなのに、とても人懐っこくて、いつも笑顔で冗談や突拍子もない事を言って周りを笑わせてくれていたな。
どちらかというとおっちょこちょいだったけれど、裏表が全くなくて、優しい男だった。
音楽の趣味をはじめ、何故かウマが合って、君は僕のことを妙に慕ってくれた。
一時は僕の学生寮に居候していたような時期もあったな。
金はないけど時間はあったから、日がな一日中音楽を聴いて語り合ったり、ギターを弾いたり…僕もまんざらじゃなかったよ。愛甲、君は何だかとても可愛い奴だったから。
その後、お互い大学を卒業して(愛甲はちょっと時間がかかったけど)、距離は離れたが付き合いは続いた。
稲城の米軍キャンプで開催した野外ライブパーティは楽しかったな。
その後、2005年から愛甲は故郷の熊本に戻ったけど、10年ほど前、愛甲が体調を崩してお見舞いに訪れたのを機に、僕は毎年九州を訪れるようになった。
最初は愛甲を励ましに行くのが目的だったけど、僕は九州の大自然の豊かさ、人の温かさに魅せられ、単に、九州で気の合う愛甲と遊ぶのが楽しくてしょうがなくなっていたのだ。
君は体調が必ずしも万全じゃない時も、前と変わらない明るさで、前向きに頑張り、僕に付き合ってくれたよな。
僕らは車で旅をしながら、スタジオに入ってリズムボックスに合わせてギターとベースでセッションした。スタジオがなければカラオケボックスにアンプを持ち込んで爆音を鳴らしたこともあったな。演奏するのはビートルズ、ストーンズ、クリーム、サンハウスなどなど…
ドライブも楽しかった。カーステレオで音楽を聴き、いろいろなことを語り合った。熊本各地は勿論、鹿児島、福岡、大分、宮崎にも行ったな。愛甲の実家にも何度もお邪魔した。球磨村は本当に美しく、平和な場所だった。
でも、愛甲、そんな球磨村は、すっかり姿を変えてしまったみたいだな。そして、愛甲とご両親を奪っていった。
君からメールや電話が来たり、お父さんから球磨焼酎の「一勝地」が送られてきたり、お母さんから手作りのお味噌をお土産にもらったり…そんなことももう叶わない。
さぞかし無念だっただろう。僕も立ち直れないような衝撃を受け、何も手につかない抜け殻となってしまった。
あの日を思わせるような雨が今日も降っている。
でも、もうすぐ雨の季節は去り、夏がくる。
愛甲の仲間たちが作ってくれたHPに載せるため、久しぶりに愛甲との懐かしい写真の数々を眺めているうち、ともに過ごした素晴らしい時間を思い出し、とても幸せな気分になった。
そして、君との思い出を通じて、生きるということ、人とのつながり、政治の事、ビートルズのアルバムはどこが素晴らしいか、色々な事を考えた。
彼が与えてくれたものはとてつもなく大きいし、これからも与え続てくれる、と気づいた瞬間だった。きみは遠くへなど行っていないのだ。
ジョン・レノンが亡くなった時、息子のショーンはひとしきり泣いた後こう言ったという。「パパはもっと大きな存在になったんだね。だって全てのものの一部になったんだから。」
愛甲、ありがとう。
そして、きみはずっと僕たち全てのものの一部として生き続ける。だから、これからもよろしくな!
友人代表 谷口 公平
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